スペイン行き列車の切符をやっとのことで買えた時は、既に10時40分を回っていた。列車の時間まで3時間半ほど。せっかくのパリだ。市内観光でもしたい所だったが、あいにくガイド本はスペインのものしか持ってない。他はヨーロッパを紹介した、小さな冊子があるくらいだ。エッフェル塔や凱旋門なんかを観たかったが、列車に乗り遅れては大変だから、移動は徒歩圏内にとどめた(笑)
近くに大きな公園があった。木々が生い茂った立派な公園の向こうに建物が見えた。ベンチに座って少し休憩。ホッとするとお腹が空いて来た。切符買うだけでもあれだけ苦労したのに、食事なんかできない!無理だ!と思ったが、空腹には勝てず、公園を出てうろうろしてみた。レストラン風の店が何件か並んでいて、それぞれランチメニューを書いたと思われる黒板が歩道に出してあったが・・・クチャクチャと殴り書きしてあり読めない。しかし、テラス席の店がほとんどで、敷居は高くなさそうだ。その中の一軒に、意を決して入る。
12時ちょっと前なので、まだ客は少ない。ウェイターの兄ちゃんに英語で話しかけると、フランス語で返って来た・・・。しかし「to eat?」と聞いてくれた。ああ、なんとか通じるかなと少し嬉しくなり、席に案内してもらう。通りと店の間のテラス席だ。別の兄ちゃんが注文を取りに来たが、メニューがフランス語なので、チンプンカンプン。なんなのか訊こうと「What...」と言うや否や「Oh-!」と叫んで英語のメニューを持って来てくれた(笑)やっぱりチンプンカンプンだった(爆)ウェイターの兄ちゃんが「チキン」と羽ばたいたり「ビーフ」と指で角を作ったりのジェスチャー大会で、ステーキを注文。なんとかお腹も満たせた。タクシーの時もそうだったが、こんなとき一番わからないのがチップ。支払いの一割くらい置いたらいいんじゃないと言うことはわかっていたが、いつ、どうやって渡す?その時は、精算をテーブルで済ませると言うことを知らなかったので、バー・カウンターにいるウェイターの兄ちゃんの所まで行き、支払った。よくわからないので、その場でチップを手渡した。色々努力してくれたからね(笑)
オーステルリッツ駅は、ターミナル駅だけあって巨大だ。何本ものホームが大きなドーム屋根の下に並んでいる。改札も無く、そのまま目的のホームへ。列車は既に停まっていた。列車の中は、日本のものとは違い、片側に廊下があり、それぞれ8人掛けのドアの付いた小部屋になっている。ドアの窓から中をのぞくと、人が座ってたり座ってなかったり。ドアの横に小さな名札入れがある。席が決まっているんだろうか?切符を見ても、さっぱりわからない。その辺のおばちゃんに切符を見せて、この席はどこだと訊いても、ただ笑うだけだ・・・。列車は、発車ベルも無く静かに動き出した。しかし、座る所が無いとなると・・・18時間立ちっぱなしか??すると、かごにパンや飲み物を入れた兄ちゃんが歩いて来た。車内販売の売り子なら切符の見方もわかるだろうと、その兄ちゃんに席を訊くと、一言「No!」席は無いと言う・・・。おいおい・・・と思っていると、もう一人の男がこっちに来いと手招きをしてくれた。そして、ここが空いているから座れと、空席に案内してくれた。後で考えてみると、自由席だから、どこに座ってもよかった様だ(笑)
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